2017.09.21マーケティング・市場調査

江戸時代の豪商たちに学ぶ! エンゲージメントを高めるための心得とは

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近年、ビジネスキーワードとしてよく耳にする「エンゲージメント」。

社内外様々なシーンで用いられるワードだが、いちばん多く用いられるであろう対顧客の文脈で言うと、営業・マーケティング活動によって、顧客の関心を高め、企業(もしくはブランド)との結びつきを強めるという意味合いになる。

ここで言う結びつきは、「企業との絆」や「企業と顧客の親密さ」と言い換えることもできる。「顧客がどれだけ企業に共感しているか」をエンゲージメント指標として数値化することで、ビジネスを推進する上で参考になるデータ獲得ができる時代になってもいる。

14-2今でこそ、企業の人気ぶりを数値となって表わすことができるほどマーケティング理論やツールが進んでいるが、一昔前のビジネス――“商い”では、このエンゲージメントはどのように考えられていたのだろうか。

江戸時代は、封建時代のように考えられがちだが、市場や経済のシステムが高い次元で成立していた時代だ。

一般商家が海路を使うなど流通網を駆使し、貨幣の変動相場が整備されるなど、幕府や藩の経済行政のもとさまざまな業者が自由な市場競争を行っていた。特に江戸や大坂などの都市圏では、常に顧客の獲得競争があったのである。

実は、そのような環境下で財を成していた豪商たちが今に残す多くの名言の中に、エンゲージメントを高めるヒントが多くあるのだ。

例えば、天下の豪商と知られ、今の住友グループの礎となった住友家にはこのような家訓がある。

「一時の機に投じ目前の利に趨(はし)り、危険の行為あるべからず」
「苟(いやくし)も浮利に趨(はし)り軽進すべからず」

また伊藤松坂屋も「伝来の家業を守り決して投機事業を企つる勿(なか)れ」と同様の意味合いの家訓を持っている。顧客が求めるもの=金脈を常に探すことも大事ではあるが、一時の利益のためだけに動くなという意味である。では、商人たちは何を最も大事にしてきたのか。

特に大衆との距離が近かった、大手の呉服商にはこのような言葉が残っている。

「物品購求の多少に拘わらず来客は総て当店の得意なれば大切に礼儀を尽すべし、仮令(たとえ)一品の購求せざるも其望みに叶うべき品物のあらざるは当店の準備至らざる所なれば却(かえっ)て丁寧に敬礼を尽し後後の愛顧を乞うべし」(松屋呉服店)

「確実なる品を廉価に販売し、自他の利益を図るべし。正札掛値なし。商品の良否は,明らかに是を顧客に告げ、一点の虚偽あるべからず。顧客の待遇を平等にし,苟(いやしく)も貧富貴賎に依りて差等を附すべからず」(髙島屋呉服店)

要するに、顧客に対し正直であり、誰に対しても自社の商品やサービスを購入する相手には敬意を持って接することが説かれている。

ここに家訓や名言を上げた商家は、どれも今に残る大企業だ。何代にもわたって贔屓にしている客筋も多い。エンゲージメントを高める手法は数多く開発されても、顧客に平然と虚偽を示したり、その場しのぎのビジネスに奔走するのは、“商い”の達人から言わせてみれば、「なっていない」ということになるのだろう。

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