マーケットリサーチで消費者ニーズの調査を行う意味とは
マーケティング活動のひとつであるマーケットリサーチは、企業が市場の状況を把握するために行われる調査です。マーケットリサーチの調査結果は、企業が消費者ニーズを捉え、サービスの方向性を決める際の指標として扱われます。
現在、マーケットリサーチは、自社製品の改良や新商品の開発を行う上で欠かせないものです。そこで今回は、マーケットリサーチの流れや消費者ニーズの捉え方をご紹介しながら、市場調査の本来的な意義について考察します。
マーケットリサーチの流れ
企業は、マーケットリサーチを通して収集した情報を分析・検証し、その結果をもとに自社が参入できそうな市場を探します。そしてターゲットとなる市場が見つかれば、今度はその市場の過去から現在に至るまでの動きを調べ、自社の行動指針を模索します。
以下では、一般的なマーケットリサーチの流れをご紹介します。
【1】事実を調査する
まず、 調査対象者の購買動向や商品に関するフィードバックなどから、市場の規模や傾向を把握します。
【2】因果関係を調査する
次に、調査対象者の購買行動を分析し、その原因と結果を調査することにより、製品に関する課題を見つけます。
【3】事業機会の展開につなげる
最後に、 上記マーケットリサーチ結果を、社会環境や経済動向と合わせて考察します。調査を通して販売に効果的な場所を特定したり、商品の適正価格を見極めたりすることにより、自社が参入できそうな市場を特定し、事業機会を展開するための施策を練ることが可能です。
消費者ニーズの捉え方と調査
これまでは、自社の商品市場からのみ対象者を抽出して調査を行い、顧客から聞き出したニーズをヒントに商品の改良や新商品開発を進める企業が多く見られました。しかし、既存市場で消費者が必要とするものを探るだけでは、ターゲット市場が限られてしまい、結果的に新しいニーズを発掘して新商品を創出することは難しくなります。
例えば、カップうどんにおける消費者ニーズについて考察してみましょう。一般的に食されているうどんの出汁は、関東ではかつおぶし・濃口しょうゆ、関西では昆布・薄口しょうゆと、地区によって異なります。そのため、ターゲット市場を関東に限定した場合、必然的にかつおぶし出汁、濃口しょうゆの延長線上で出汁のニーズを拾うことになり、関西地区で商品展開を行う際に参考となる意見を集めることは困難です。
製品によっては、関東・関西に限らず、都道府県ごとに好まれる味が異なる可能性もあります。そのため、特に商品の全国展開を行う場合には、市場を限定せず消費者が必要とするものを幅広く探ることが必要です。消費者が生活する地域や社会、環境や習慣の違いなどをキャッチしながら、商品に求められる性質や品質、利便性などを把握することが大切になります。
おわりに
マーケットリサーチの流れや、消費者ニーズの捉え方についてご紹介しました。
商品の種類によっては、既存市場のほかに適切な市場を見つけ出すことは難しい場合があります。
また、幅広いエリアへ展開を行う際には、各地域の特性に沿って製品にさまざまなバリエーションを設ける必要が出てくるでしょう。そのようなときこそ、マーケットリサーチを行い、調査結果を参考に製品を改良・開発していくことをおすすめします。
マーケットリサーチは、企業が自社にとってビジネスチャンスになる市場を探し出す活動です。
マーケットリサーチを単なる市場調査で終わらせず、消費者ニーズに合わせた新しい商品や需要供給の場(市場)の産出につなげていくことは、市場戦略としても大きな意味があると言えます。

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