ビッグデータをアンケートに活用する方法
ネットワーク上に流れるデータの量は、スマートフォンやタブレットなどのモバイル端末が普及したことに伴い、近年瞬く間に増大していきました。
このようなインターネットを介して私たちの間を往来している大量・多様なデータは、ビッグデータと呼ばれています。
今日では多くの企業が、ビッグデータを経営に生かすために、データの分析・活用に取り組んでいます。
しかし、メールやSNSなどの構造化されていないテキストデータに関しては、いまだ活用方法が分からないと悩む企業も少なくありません。
そこで今回は、ビッグデータをアンケートに活用する方法をご紹介します。
ビッグデータを併用して商品分析を行う場合の流れ
【1】使用するビッグデータの選定
ビッグデータの分析は、事前に実施したアンケートの結果について、裏付けのデータが欲しいときに有効です。ここでは、ある商品に関してアンケートを作成し、その集計結果とSNS上の評判を比較するケースを考えてみましょう。
今回の場合、自社が保有しているビッグデータとしては、自社Webサイトへの訪問回数やサイト上に掲載されている商品のクリック回数データ、そして販売実績などが利用できます。これらのデータは既に整理され、構造化・数値化されているため分析も容易です。
一方、SNS投稿データの分析については、対象商品とそれに紐づけられた評判・印象を抽出し、リストアップ・整理する作業が必要になります。アンケートを実施する前に投稿データの分析が完了する場合は、その結果に基づいてアンケート対象とする商品を決定することも可能です。
【2】アンケートの実施・評価
アンケートの実施・回収後は、投稿データによる評価比率とアンケートによる評価比率の差異を検討・分析して、商品に対して今後取るべきアクションを決定します。SNS上の評判がアンケート結果とおおむね一致していた場合は、調査によって有意義で信頼のおける回答を獲得することができたと考えてよいでしょう。
反対に、二つの評価比率が大幅に異なっていた場合は、差異が生まれた原因を発見し対応策を取る必要があります。設問の内容やSNS投稿データの分析方法など、差異が生まれた理由をくまなく探し、必要に応じてアンケートを再実施しましょう。
ビッグデータの活用が難しい理由
ビッグデータの利用に際して最も難しいことは、目的のデータを抽出するためのキーワード選定です。
商品名についても、場合によっては大多数の人が間違って覚えていたり、もしくは通称が複数存在していたりするケースも考えられます。
また、評価ワードの分析についても注意が必要です。例えば、「安っぽい」という言葉は見た目だけでなく、味の印象に対しても用いられます。そのため、選定したキーワードを抽出する際は、その言葉が文章内でどのように用いられているのかも含めて検索結果を分析しなければなりません。
このように、構造化されていないビッグデータをアンケートでうまく使うためには、地道な試行錯誤が必要になります。
おわりに
ビッグデータをアンケートに活用する方法をご紹介しました。ビッグデータに限らず、データを分析する行為は目的が明確化されていない場合、実施が困難になります。目的が具体的になればなるほど、分析に使用するべきデータを絞ることができるため、成功率も高くなるのです。
また、特に非構造化データのように抽象的なデータの分析においては、初めの失敗はつきものです。結果が出るまで、あらゆる側面からデータを繰り返し分析することが重要になります。ビッグデータ分析の独自ノウハウを確立し、企業の成長にぜひ役立ててください。

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