【ブランドマーケティング】ブランド戦略でアンケートを効果的に使う方法
店頭に同じような商品が2つ並んでいるとき、どのように1つを選びますか。単純に安い方を選ぶ場合もあるでしょう。しかし、多少価格が高くても、「この会社が作ったものなら信頼できるだろう」「〇〇製のものが好きだから」という理由から、商品を選ぶこともあるのではないでしょうか。そのような信頼や愛着を与えるような、企業や商品が持つ価値のイメージを表す概念が「ブランド」です。
ブランドイメージが高ければ、価格が高くても多くの人に選ばれる可能性が高くなります。反対に、ブランドイメージが悪いと、価格が安くても選ばれにくいでしょう。多くの消費者に選ばれ続けるためには、マーケティングを行なってブランド戦略を取り入れる必要があります。
効果的なブランド戦略を打ち出すためには、アンケートを行って購買層の好みや関心を知ることが大切です。今回は、ブランド戦略でアンケートを効果的に使う方法をご紹介します。
ブランドマーケティングでブランド力を引き上げる
闇雲なブランド戦略では、期待通りのブランドイメージを消費者に浸透させることは難しいでしょう。競合に対する優位性を示したり、明確な差別化を行ったりすることは簡単ではありません。
効果的なブランドマーケティングを行うためには、まず消費者が企業や商品に対して持っているブランドイメージの「現状」を把握することが大切です。
ブランドイメージの現状を把握する方法としては、アンケート調査が効果的です。アンケート調査で消費者から見たブランド力やブランドイメージ、長所、短所を知ることによって、より的確なブランド戦略を立てられようになるでしょう。
ブランド力強化に必要なアンケートの条件
それでは、どのようなアンケート調査を行えば、ブランドイメージの現状を把握できるのでしょうか。効果的にアンケート調査を行うためには、「ブランド認知」「知覚品質」「ブランド・ロイヤルティ」「ブランド連想」に着目してアンケート項目を作成する必要があります。
今回は、携帯電話会社がブランドマーケティングでアンケート調査を行った場合を例に、それぞれの項目についてご説明します。
ブランド認知
「携帯電話会社といえば、どの会社の名前を浮かべますか?」などの質問によって知ることができるものが、「ブランド認知」です。回答によって、ブランドが「どの程度」「どのように」知られているか分かります。多くの人にとって長く馴染みがあり、信頼度が高いブランドほど、多く回答されることになるでしょう。
知覚品質
「操作性が良い携帯電話会社は?」や「コストパフォーマンスが良い印象がある携帯電話会社は?」などの質問によって「知覚品質」が高いブランドを知ることができます。知覚品質とは単なる認知度ではなく、同じカテゴリ内の他のものと比べた際に消費者が感じる優位性のことです。
ブランド・ロイヤルティ
「ブランド・ロイヤルティ」は、消費者がそのブランドに対してどの程度、忠誠する心を持っているかを示す要素です。ブランド・ロイヤルティが高いほど、消費者は他のブランドに乗り換えにくくなります。ブランド・ロイヤルティを調べるための質問例としては、「最新の4機種から携帯電話を選べるとしたら、どのブランドを選びますか?その理由も教えてください」などが考えられます。
ブランド連想
消費者がそのブランドに関して連想するすべてのものが「ブランド連想」です。「A社という会社名を聞いて、どのようなイメージが浮かびますか?」というような質問で知ることができる指標です。ブランド連想は、競合との差別化において重要な要素となります。ブランド力を向上させるためには、良いイメージのブランド連想が起こるよう努力が必要です。
ブランド力強化のためのアンケート結果分析手法
アンケート結果をブランド戦略で活用するための分析方法の代表例として挙げられるものは、「コレスポンデンス分析」や「重回帰分析」です。
コレスポンデンス分析は、散布図を使用して解析する手法です。例えば「ブランド連想」の解析では、ブランドに対するイメージを「スタイリッシュ⇔カジュアル」、「高級⇔リーズナブル」の2軸でできた平面図上に表すことにより、アンケート結果を視覚的に分かりやすく把握することができます。
重回帰分析は、さらに複数の項目の関係性を分析する手法です。例えば、「A社にロイヤルティを感じる消費者には、ブランド連想で高級感を挙げる人が多い」などのことが分かります。アンケート対象者が持つブランドイメージをより正確に捉えることができる分析方法です。
おわりに
アンケート調査を活用することにより、企業に合ったブランド戦略を効果的に立てることができます。ブランドマーケティングで重要なことは、アンケート調査とブランド戦略作成の作業を1度だけで終わらせないことです。世間が求めるニーズや流行とともに、会社や商品のブランドイメージは常に変化しています。
流動的な市場で多くの消費者から支持され続けるためには、ブランドイメージのチェックを定期的に行い、調査結果をその後に反映させていくことが大切です。

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